ピラティス

ピラティスの歴史

ピラティスはドイツ人であるジョセフ・ヒュースティン・ピラティス氏がイギリスの地で考え出したものだと言われています。彼は小さなころ体がとても弱く、喘息や骨軟化症、リウマチ熱など様々な病気に悩まされていました。なんとかその病弱な体を治そうと、ボディビルやダイビング、スキー、体操などを研究し、オリジナルエクササイズを考案していきました。その後、1912年にイギリスへ渡り、ボクサー、サーカス団員、トレーナーなど様々な職業に就き、傷ついた兵士の世話をする看護師としても働きます。その時に考え出した、ベッドに横になりながらでもできるリハビリ法というのが、現在のピラティスの原型だと言われています。

ピラティスの目的

ピラティスは、骨格と筋肉をほぐしたり、鍛えたりすることで体を健康な状態に導いていくことが重要な目的となります。そのためには正しい動きと呼吸を理解し、実践することが必要となります。この二つを理解し実践することにより、ピラティスのエクササイズは健康な体作りにより効果的に活かすことができるようになるでしょう。

「10レッスンで気分が良くなり、20レッスンで見た目が良くなり、30レッスンで完全に新しい体になるでしょう」(ジョセフ・Ｈ・ピラティス)

ピラティスの基本「6つの原理」

1.集中

意識と体を連携させるために重要な役割を果たします。それぞれの動きを正しく行うために重要なのは心と体の関わり方です。集中することにより体に対する意識が高まり、体の感覚を正確に感じやすくなります。

2.中心

体の中心、深層部の筋肉（コア）を鍛えることで、しなやかで丈夫な肉体を作りやすくなります。外側の筋肉だけでなく、内側の筋肉に目を向けることで自分の体をコントロールしやすくなります。

3.呼吸

ピラティスでは胸式呼吸によって体の活性化を行います。背筋が伸びて血行が良くなり、新陳代謝を促します。

4.正確さ

間違った動きは体の歪みが悪化しやすくなります。正しい動きを身につけることで自然にダイエットや健康効果が生まれるでしょう。

5.コントロール

筋肉の動きを意識して、勢いや反動をつけずに行います。体に負担をかけずに鍛えるピラティスの基本です。慣れた体の使い方では体質改善には繋がりにくく、怪我を招き、または悪化させる原因にもなりえます。

6.流れ

ピラティスを行う際は、流れるようなスムーズな動きを心がけてください。スムーズに動くことで、全身の筋肉が無駄なく動作しやすくなります。

ピラティスをすることで体はどう変化する？

歪みを治し、姿勢を整える

ピラティスを行うことで、背骨を正しい位置にする筋肉（腹横筋）が強化され、左右のバランスがとりやすくなります。バランスがとれると姿勢を改善しやすくなり、肩こりや腰痛、頭痛などにも効果的です。

代謝を上げて痩せやすい体作り

代謝とはエネルギー消費量のことであり、年齢とともに下がっていきがちですが、代謝が下がると痩せにくくなります。筋肉量を増やすことは基礎代謝を上げる一つの方法であり、ピラティスで強化されるインナーマッスルを鍛えることで代謝が上がりやすくなります。

自律神経を整える

自律神経は、循環器・消化器・呼吸器などの活動を調節するために24時間働き続けている神経で、無意識のうちに心身の機能を調節してくれる大切な神経です。体の活動時や昼間に活発になる「交感神経」と安静時や夜に活発になる「副交感神経」があります。

自律神経が乱れてしまうと、様々な不調がおきます。頭痛がする、疲れがとれない、めまいがする、など…

ピラティスでは意識的に肺を使う胸式呼吸が行われ、横隔膜が呼吸によって動き、吸う・吐くをリズム良く深くとることで自律神経をバランスの良い状態に保ちやすくします。また、ストレスなども自律神経を乱す原因になりますが、筋肉を使ったり、体を伸ばしたりひねったりする動きを行うことで、リラックス効果とストレス発散にも繋がります。

血流を良くする

ピラティスでは姿勢や歪みを改善することにより、全身にめぐる血流を良くする効果も期待できます。血流が良くなると、むくみ解消、冷え性改善にも繋がります。

内臓を正しい位置に戻す

普段の生活では重力の影響でどんどん内臓が下がってきてしまいます。内臓が下がると下腹が出やすくなるだけではなく、本来の位置にないので体の不調にも繋がってしまいます。これには、骨盤や背骨の歪みによって体全体のバランスが崩れていることや、内臓を支えるために必要なインナーマッスルが弱っている事が考えられます。ピラティスでは骨盤を調整し、インナーマッスルを鍛えることができるため、内臓を正しい位置に戻りやすくしていきます。